10月21日AM 乳がんの現状と早期発見の大切さ
2014年 10月 21日
10月21日(火)午前10時からの教養講座



               福祉と医療

                         乳がん早期発見強化月間記念
乳がんの現状と早期発見の大切さ



認定NPO法人J.POSH 理事長の田中 完児さんにご講演いただきました。





 内臓の“がん”は身体の表面からは分かりにくいですが、“乳がん”は見つけやすいです。

乳がんの早期発見のために、現状報告と検診の大切さについて説明していただきました。

 

【“乳がん”の現状について】

 悪性新生物(悪性腫瘍)は一般的に“がん”と呼ばれ、現在は“胃がん”を抜いて“乳がん”が

一番多くなっています。

○乳がん罹患者…2000年:35000人(1970年の約3倍)→2005年:53783人→

            2008年:65085人(3年で1万人増加)→2010年:76041人(2年で1万人増加)

○罹患率の傾向…1996年:30人に1人、2008年:14人に1人、2010年:13人に1

            (アメリカは5人に1人、イギリスは8人に1人)

○危険因子…食生活の欧米化・肥満・40才以上・独身女性・初産年齢30才以上・

閉経年齢55才以上・子どもの少ない人・親戚に“乳がん”になった人がいる人

        (“がん”は老化で起こるので、多くの“がん”は60才以上でピークを迎えるが、

                 “乳がん・子宮がん”は35才を過ぎると急速に増え、40〜50才くらいでピークになる)

○乳がん死亡率…イギリス・アメリカでは罹患率は増えているが死亡率は減っているのに対し、

日本は罹患率・死亡率ともに増えている。

○乳がん死亡率…2000年:9248人(1955年の約6倍)、201112838人、2012年:12523人

2013年:13145人

(交通事故死ピーク時の18000人や2012年の4411人に比べると格段に多い)

 

【早期発見の大切さ】

 4060才代の一番多い死因は“乳がん”です。乳がん手術後、患者家族の精神症状を見ると

患者以上に夫・子どもに、抑うつ・不安などの影響を与えています。家族の太陽とされる女性が

“がん”になることは、周りの家族にとっても大きな苦しみになるので、できるだけ早く発見し、

死亡率を下げなければなりません。

 

【“乳がん”による死亡率を下げる方法】

1.早期発見…マンモグラフィ検査の普及

○乳がん検診受診率:欧米7085%に対し、日本は201012.1% 201343.4

○乳がん検査を受けない理由:2030才代には自治体検診がない、検診する機会がない、

職場の健康診断の項目にない、

休日受診ができるなら検診を受けるのに・・・

○乳がんの10年生存率:初期段階では95%、2cmのしこりで90%だが、自己検診で

見つけられる25cmのしこりになると7050%になる

○早期発見のメリット:手術で切る部分が少なくてすむ、発見が遅れると手術費用2030万円・

放射線費用9万円・薬費用142万円・合計200万円近くかかるが、

早期発見によっては必要のない治療が出てくるので、経済的負担が

軽くなる

○予防のための生活要因:禁煙・節酒(休肝日を設けること)・緑黄色野菜の十分な摂取・

運動(目標11万歩、可能なら2万歩以上)・運動は新陳代謝を

良くし、インスリンを下げることで“がん”のリスクを下げる

2.啓発活動…“乳がん”について知ってもらう

○ピンクリボン運動:スカイツリーや通天閣のピンク・イルミネーションなど

10月第3日曜日を、乳がん検診を受診できる日に設定

○乳がん検診受診のPRつきポケットティッシュの配付

○自治体へのマンモグラフィ検診車寄贈

 

 乳がん検診はまだ受診率が低いため、厚生労働省が『女性特有のがん検診推進事業』として

40才の女性に乳がん検診無料クーポン券の配付を始めました。それとあわせて、月に一度は

“乳がん”の自己検診(しこりや乳頭からの出血がないか)をするのがよいです。また、閉経後も

自己検診は続けることです。現在、乳房再建についてはティッシュエキスパンダー(細胞拡張器)

使用により、自然に近い形に再現できるようになり、また去年4月からは保険適用にもなって

いるので、怖がらずに受診してください。

 保護者である母を“乳がん”で亡くした、または現在闘病中で、学業の継続が経済的に困難な

学生を対象に、奨学金制度があります。無返済で月1万円支給されることは、学生にとって

経済的にも精神的にも大きな支えとなっています。

 

 

 最後に、田中さんの「みなさん!健康が一番です。」という言葉で講座が締めくくられました。

“乳がん”の早期発見のため、普段から自己検診をして、自治体の無料検診や一部自己負担に

よるがん検診などをぜひ利用しましょう。

 

 

 

堺 自由の泉大学 事務局