堺 自由の泉大学

学長 樋口 恵子


今年度の堺 自由の泉大学の入学生は2751名です。これは私の知る限り、日本中の生涯学習施設の中で日本一の規模です。そして男女の内訳が男性363人、女性2388人。圧倒的に女性が多いですが、男性363名は新記録です。
わが堺 自由の泉大学へ男性諸兄ようこそ。こうして本当に男女共々が人間らしい学びの道を歩み始めるのです。女性ももちろんですが、男性も心から祝福いたします。良い老後が送れるでしょう。

そして女性に対してのひとつの新しいあり方は、子育て中のお母さま方にも参加して頂けるように、0〜2才未満も乳幼児も一緒に参加できる講座を今年から始めたということです。

また男女平等と言いながら、やはり女でしか出来ない妊娠、出産という男女の身体性の違いに基づくライフイベントの違いは、やはり神様仏様のおぼしめしとしてありがたく受け止めて、育てる方は男性ももう少し加わってもらい、みなさんで支えあっていかなければならないと思います。しかし、今子育て中だから勉強しなくていいとか、今は子育てに専心して手が空いてから勉強しなさいとか、個人の自由ですから選択の自由としてやってもいいですが、子育て中であろうと、他のことをしている最中あるいは高齢者の介護中であろうと、この社会において人間にとって保障されなければならないのは、憲法における学問の自由だと思います。どんなに幼い人を育てている、介護に追われている、だからこそ学んで良き社会人となり、より深い人間認識に至る。その社会的な手助けがなければ出来ません。保育がなければ子育て中なかなか学びにくい。デイサービスがなければお年寄りを介護している人はなかなか学びにくい。我が日本一の生涯学習施設であるこの堺 自由の泉大学がそのような条件整備からも、また人生100年、人間100年のトータルな学びの条件に近づいた事に心から敬意を表し、祝うものです。


今日は本当に美しい日です。夜来の雨も晴れて日本中が今一番美しい季節と思いますが、私はまもなく震度5の地震が訪れるであろう東京を後にして昨夜このホテルに入りました。ひどい雨でした。音の立てる5月の終わりには冷え冷えとする雨でした。そして東京より西であることから思いました。地理的に近いことから、おそらくこの大阪の雨は熊本の雨につながっているであろうと。この一番得体の知れない、日本人があまり経験したことのなかった地震に見回れている熊本の方々は、この氷雨に似た雨の中でどのように生きていらっしゃるか、自分のしたことしか私たちは体験できないけれど、幅広く人に関心を持ち、人を思いやる心を育てていくのも、また学びの道から始まるのです。


 

2016年度開講式 学長式辞より